クレジットカードに手数料はかかる?利用者が負担する場合もある?
現金を出すことなく支払いができ、そのうえポイントも貯まるクレジットカードですが、「手数料はかかってないの?」と疑問に感じたことはないでしょうか?
また、「クレジットカード払いの場合は、お会計が○%上乗せになります」と案内された経験がある人もいるのではないでしょうか。
実は、会計時にクレジットカードの手数料を上乗せするのは、カード会社の規約に違反します。
そこでこの記事では、クレジットカードの手数料の仕組み、消費者が負担するべきカード手数料などについて、分かりやすく解説します。
目次[非表示]
- 1.クレジットカードの手数料には3種類ある
- 1.1.決済手数料(加盟店負担)
- 1.2.金利手数料(利用者負担)
- 1.3.年会費(利用者負担)
- 2.利用者負担の手数料をかけずにクレジットカードを使う方法
- 2.1.利用代金は一括で支払う
- 2.2.年会費無料のクレジットカードを選ぶ
- 2.3.ポイント還元率の高いカードを選んで年会費以上のポイントを得る
- 2.4.お得に利用できるおすすめのクレジットカード3選
- 2.4.1.JCB カード W
- 2.4.2.三井住友カード(NL)
- 2.4.3.ライフカード
- 3.クレジットカードの決済手数料を利用者側に負担させるのはOK?
- 4.手数料がかかっても店舗がクレジットカード決済を導入する理由
- 4.1.顧客数の増加・販売機会の損失防止
- 4.2.現金の扱いが減る
- 4.3.定期購入やサブスクリプションサービスの継続率アップ
- 5.加盟店がカード会社に支払う決済手数料の金額相場
- 6.【まとめ】クレジットカードの決済手数料は加盟店負担!
クレジットカードの手数料には3種類ある
実は、クレジットカードを利用するうえで発生する手数料には、以下の3種類があります。
- 決済手数料
- 金利手数料
- 年会費
まずは、どんな手数料が発生していて、誰がその手数料を負担しているのか解説します。
決済手数料(加盟店負担)
クレジットカード決済をすると、必ず発生するのが「決済手数料」です。
実店舗でもインターネットでも、キャンペーン時などを除いて基本的にはすべてのカード決済で決済手数料が発生しています。
決済手数料は、クレジットカード決済を導入している加盟店がカード会社に対して支払う手数料です。
詳しくは後程解説しますが、この決済手数料を利用者側(消費者)に負担させるのは規約違反となります。
金利手数料(利用者負担)
クレジットカードの利用代金をリボ払いや分割払いで支払うと、「金利手数料」が発生します。
金利手数料は、クレジットカードの利用者がカード会社に対して支払う手数料です。
リボ払い:利用代金の支払いを一定金額に設定する返済方法 分割払い:利用代金を複数回に分けて支払う返済方法 |
リボ払いや分割払いの金利手数料は年利10~15%が相場で、クレジットカードによって手数料は異なります。
また、クレジットカードの利用枠を利用して現金を借りる「キャッシングサービス」にも金利手数料が発生します。子の場合、年利15~18%が相場です。
なお、クレジットカードの利用代金の支払いが遅れると「遅延損害金」をカード会社から請求されますが、これは手数料ではなく損害賠償金という扱いになります。
年会費(利用者負担)
一部のクレジットカードには、年に一度決められた料金を支払う「年会費」と呼ばれる手数料が発生します。
これも、クレジットカードの利用者がカード会社に対して支払う手数料です。
年会費が1,000円程度の安いクレジットカードもあれば、中には10万円を超えるカードもあるなど、カードによって料金はさまざまです。
一般的に、ゴールドカードやプラチナカードなど、クレジットカードのランクが高くなるほど、年会費も高くなる傾向にあります。
利用者負担の手数料をかけずにクレジットカードを使う方法
クレジットカードを使う目的や理由は人によってさまざまですが、「手数料をかけずにカードを利用したい」という考えはみなさん共通かと思います。
ここでは、利用者負担の手数料を発生させることなくクレジットカードを利用する方法と、よりお得にクレジットカードを利用する方法について紹介します。
利用代金は一括で支払う
クレジットカードの利用代金は、一括で支払うようにしましょう。
リボ払いや分割払いは、支払い回数を複数にすることにより、支払金額を毎月一定にするメリットがあります。
しかし、先程紹介したように、リボ払いや分割払いを利用すると金利手数料を支払わなければいけません。
年利10~15%という手数料は、少額であれば少なく感じるかもしれませんが、利用残高(リボ残高)が数十万円にもなってくると非常に大きな金額になってきます。
リボ残高が増えていくと、毎月の支払額が金利手数料分しか支払えない、いわゆる「リボ地獄」に陥る可能性もあります。
そのため、金利手数料を支払うことがないよう、基本的には利用代金は一括で支払うようにしましょう。
年会費無料のクレジットカードを選ぶ
すべてのクレジットカードで年会費がかかるわけではなく、年会費が無料のクレジットカードもあります。
年会費無料のクレジットカードを選び、利用代金を一括で支払っていれば、クレジットカードに手数料がかかることはありません。
また、年会費がかかるものの、利用金額などの条件を満たすことで2年目以降も年会費がかからないクレジットカードもあります。
ポイント還元率の高いカードを選んで年会費以上のポイントを得る
年会費のかかるクレジットカードを発行する場合は、ポイント還元率が高いカードを選ぶのがおすすめです。
ポイント還元率が高いクレジットカードであれば、年会費以上のポイントが貯められる場合もあり、手数料を実質無料にできます。
お得に利用できるおすすめのクレジットカード3選
JCB カード W
< JCB カード Wの特徴・ポイント>
- 入会費・年会費が永年無料!
- ポイントが貯まりやすいうえに、ポイントの使用先が豊富!
- スターバックスやAmazon、Uber Eatsなど、有名サービスでの利用がお得!
- Oki Doki ランド(JCBのポイント優待サイト)の利用でポイント最大20倍!
- 39歳までしか作成できないので注意
JCB カード Wは、18歳から39歳までの人が発行できる若者向けのクレジットカードです。
ポイントが貯まりやすく、使用先も豊富、そして年会費は永年無料と、日常使いのクレジットカードとして非常におすすめの1枚です。
ポイント還元率が高くなる優待サービスは、日常でよく使うお店やサービスが多く含まれており、スターバックスであれば5.5%、Amazonやセブンイレブンであれば2.0%と、お得に買い物ができます。
楽天カードとJCB カード Wを2枚持ちすることで、楽天市場は楽天カードで、Amazonでの買い物はJCB カード Wで支払うという使い分けが可能です。
Oki Doki ランドというJCBのポイント優待サイトでは、JCB カード W(JCBカードであればOK)を使って支払うと、ポイント還元率は最大で20倍まで貯まります。
なお、女性の場合は「JCB カード W Plus L」を選ぶことで、女性専用の保険やサービスに申し込みができます。
基本的なサービス内容はJCB カード Wと変わりませんので、女性はぜひJCB カード W Plus Lへの申し込みをおすすめします。
ただし、申込条件が18〜39歳となっているため、40歳以上の人は申し込みができない点には注意です。
年会費 |
永年無料 |
---|---|
国際ブランド |
JCB |
ポイント還元率 |
1.0%~10.5% ※最大還元率はJCB PREMOに交換した場合 |
申し込み対象 |
18歳以上39歳以下 |
追加可能なカード |
・ETCカード(発行手数料無料・年会費無料) ・家族カード(年会費無料) ・QUICPay(無料) |
三井住友カード(NL)
<三井住友カード (NL)の特徴・ポイント>
- 入会費・年会費が永年無料!
- ナンバーレスで紛失時などにも安心安全、見た目もスタイリッシュ!
- 対象のコンビニやマクドナルドなどの飲食店でスマホのタッチ決済を利用すると最大7%※のポイント還元!
- タッチ決済でお得に支払い!
- 専用アプリの利用が必須
三井住友カード (NL)は、券面にカード番号が印字されていないナンバーレスタイプのクレジットカードです。
対象のコンビニやマクドナルドなどの飲食店での利用時はスマホのタッチ決済を利用で最大7%※のポイントが還元されます。
通常のポイント還元率が0.5%のため三井住友カード(NL)でコンビニやマクドナルドなどの飲食店での支払い、楽天の関連サービスの支払いは楽天カードといったように使い分けるのがおすすめです。
ナンバーレスカードのため専用アプリの利用が必須となっており、慣れるまでは不便に感じることもあるかもしれませんが、使いこなせるようになると便利なクレジットカードです。
年会費 |
永年無料 |
---|---|
国際ブランド |
Visa / Mastercard |
ポイント還元率 |
0.5%~7%※
|
申し込み対象 |
満18歳以上の方(高校生は除く) |
付帯サービス |
・ETCカード(発行手数料無料・初年度年会費無料・年会費550円(税込)※年1回以上利用で翌年度無料) ・家族カード(年会費永年無料) |
※※スマホのVisa・Mastercard®タッチ決済での支払いが対象です。
※iD、カードの差し込み、磁気取引は対象となりません。カード現物のタッチ決済の還元率は異なります。
※商業施設内にある店舗などでは、一部ポイント付与の対象となりません。
※一定金額(原則1万円)を超えると、タッチ決済でなく、決済端末にカードを挿しお支払いただく場合がございます。その場合のお支払い分は、タッチ決済分のポイント還元の対象となりませんので、ご了承ください。上記、タッチ決済とならない金額の上限は、ご利用される店舗によって異なる場合がございます。
※通常のポイントを含みます。
※ポイント還元率は利用金額に対する獲得ポイントを示したもので、ポイントの交換方法によっては、1ポイント1円相当にならない場合があります。
※Google Payで、Mastercard®タッチ決済はご利用いただけません。ポイント還元は受けられませんので、ご注意ください。
ライフカード
<ライフカードの特徴・ポイント>
- 入会費・年会費が永年無料!
- 年50万円利用で次年度ポイント1.5倍、さらに年150万円利用で次年度ポイント2倍
- ポイントUPモール経由でのお買い物で、なんとポイント最大25倍!
- ANAマイルや電子マネー、Amazonギフト券への交換など多彩にポイントを利用可能、ポイントを効率的に貯めてお得に使える
- キャッシング利息の全額キャッシュバックキャンペーン利用で、海外旅行時や急な出費の対応にもおすすめ!
- カードデザインはスタイリッシュな白・黒の2タイプから選べる!
入会後1年間はポイント還元率が1.5倍、2年目以降はさらに最大2倍と、利用額に応じて還元率が変わる、いわばステージ制となっています。
誕生月の買い物はポイントが3倍になる特典もあり、さらに、会員限定のショッピングモールサイト「L-Mall」経由で買い物をすると、ポイント還元が最大25倍に。
カードの申し込み条件が、「日本国内に住んでいる18歳以上(高校生除く)で、電話連絡が可能な人」となっているので、学生や専業主婦・主夫も気軽に申し込むことができます。
年会費 |
永年無料 |
---|---|
国際ブランド |
VISA / Mastercard / JCB |
ポイント還元率 |
0.5%~3.3% |
申し込み対象 |
18歳以上(高校生は除く) |
付帯サービス |
・ETCカード(発行手数料無料・年会費1,100円(税込)※年1回以上利用で翌年度無料) ・家族カード(年会費無料) |
クレジットカードの決済手数料を利用者側に負担させるのはOK?
クレジットカードを利用しようとした際に、お店から「カード決済には手数料がかかる」と言われ、料金を上乗せされたことはないでしょうか?
消費者心理としては、支払い方法によって支払金額が増えてしまうのは避けたいですよね。
ここでは、クレジットカードの決済手数料を利用者側に負担させるのはOKなのかを解説します。
利用者に手数料を請求するのは規約違反
結論として、クレジットカードの決済手数料を加盟店が利用者(消費者)に負担させるのは、規約違反となります。
また、「○円以上の支払いのみカード利用可能」「ランチは現金支払いのみ」なども実は規約違反です。
加盟店規約により、加盟店は基本的には利用者がクレジットカードを希望した際には断ることはできず、手数料は加盟店が負担することになっています。
以下は、JCBの該当する規約ですが、基本的にはどのカード会社でも同様の規約を設けています。
JCB加盟店規約 第11条(加盟店の義務、禁止行為など) 加盟店は、有効なカードを提示した会員に対し信用販売を拒絶し、または現金払いや他社の発行するクレジットカードその他の決済手段 の利用を求めてはならないものとします。また、加盟店は、会員に対し、現金払いその他の決済手段を利用する顧客と異なる金額を請求したり、カードの取扱いに本規約に定める以外の制限を設ける等、会員に不利となる差別的取扱いを行わないものとします。 引用元:JCB加盟店規約(2020年6月1日改正版) |
また、国民生活センターでも、同様の相談を受けることが多いようで、Q&Aが公開されています。
質問 買い物でクレジットカードを使用したところ、代金にクレジットカード手数料を上乗せされて請求されました。支払う必要はあるのですか? 回答 お店(加盟店)が消費者にクレジットカード手数料を負担させることは、クレジットカード会社との加盟店契約の規約によって禁止されていることがあります。請求された場合はクレジットカード会社に確認しましょう。 引用:独立行政法人国民生活センター「クレジットカード利用時に手数料を請求された」 |
手数料の上乗せや請求されたときの対処法
手数料の上乗せや別途費用を請求されたときには、「カード会社に確認しますので、少し待ってください」と伝えましょう。
加盟店も手数料の上乗せが規約違反になることを知っているケースが多いため、基本的にはこの一言で手数料の上乗せや請求を取り下げてくれるはずです。
加盟店が手数料の上乗せが規約違反と知らず、請求を取り下げなかった場合は、その場でカード会社に連絡するか、現金などで支払いをしたうえでカード会社に通報するようにしましょう。
手数料を一度支払うと、カード会社に通報しても手数料が必ず返金されるとは切らない限らないため、なるべくその場では現金などクレジットカード以外で支払うのが無難と言えます。
手数料がかかっても店舗がクレジットカード決済を導入する理由
ここまで解説してきたように、クレジットカード決済は加盟店の負担で手数料を支払わなければいけません。
支払い方法を手数料のかからない現金のみとしたほうがお店としてはメリットが大きいように思うかもしれません。
しかし、クレジットカード決済を導入することで、加盟店としては手数料を支払う以上のメリットがあります。
顧客数の増加・販売機会の損失防止
クレジットカード決済を導入することで、顧客数の増加が見込めます。
クレジットカード決済に対応していない場合、普段は現金をほとんど持たず、クレジットカードで多くの支払いをしているというお客さんを逃してしまう可能性があります。
また、最近ではクレジットカード決済に対応していないお店のほうが少なくなってきています。
そのため、カード決済を導入することで顧客数が増えるというよりも、カードが使えないことによる販売機会の損失防止という側面のほうが強くなりつつもあります。
現金の扱いが減る
手数料のかからない現金ではありますが、現金の取り扱いには一定のリスクやデメリットがあります。
- 支払時に過不足が起きる
- レジ締め作業が必要
- 強盗
- 従業員による横領
クレジットカード決済であれば、こうしたリスクやデメリットを軽減できるため、店舗運営のリスクマネジメントにおいてもカード決済を導入するメリットがあります。
定期購入やサブスクリプションサービスの継続率アップ
ネットショップでの定期購入や最近増えてきた定額制のサブスクリプションサービスを提供している事業者の場合、クレジットカード決済に対応していることで継続率がアップします。
私たち消費者としては、都度振り込みなどで支払う必要がなくなるため、解約するのはサービスを利用しなくなったときのみになります。
加盟店がカード会社に支払う決済手数料の金額相場
クレジットカード決済を導入している加盟店がカード会社に支払う決済手数料は、3~7%程度が相場です。
決済手数料は、加盟店の業種や売上高、取り扱っている商品・商材によっても異なり、個別の交渉で割合が変動することもあります。
コンビニや家電量販店などの全国チェーンの店舗の場合は、利用者数が多いことなどを理由に1~2%程度と言われています。
しかし、個別でカード決済を導入する飲食店やサービス業の場合は5%を超えることも。
また、利用代金の未払いリスクが高いとされている業界や商材も、決済手数料が高く設定されていることが多いようです。
【まとめ】クレジットカードの決済手数料は加盟店負担!
クレジットカードには、決済手数料・金利手数料・年会費などの手数料が発生しますが、決済手数料に限っては加盟店(お店側)が負担することが規約によって決められています。
もしも決済手数料を上乗せされそうになった場合は、「カード会社に確認しますので、少し待ってください」と電話をかけるそぶりをすると、多くの場合はでは上乗せを取り下げてくれるはずです。
すでに決済手数料を自己負担で支払ってしまった場合は、カード会社に問い合わせて通報と返金対応ができないかを相談してみてください。